お店を始める前に、電卓で「未来の家計簿」を作ってみる。それが計画シミュレーションです。Third Doorが実際に会社向けに作った2本を、やさしい言葉で説明します。
未来をピタリと当てるのが目的じゃない。
「やる?やらない?いつ増やす?」を
数字を見て決められるようにするのが目的。
ひとことで言うと「お店の未来の家計簿」です。
大人のお店も、やることは同じです。「いくらで売る」「1つ作るのにいくらかかる」「宣伝にいくら使う」を決めて、月ごとに「売れた金額」と「手元に残るお金」を並べます。1つの数字を変えると、全部の数字がつながって動くので、「宣伝を2倍にしたら、残るお金はどうなる?」をその場で試せます。
むずかしい言葉が出てきたら、ここに戻ってくれば大丈夫。
売れた金額の合計。レモネードが100杯売れたら 200円×100杯=20,000円。
1つ作るのにかかるお金。レモン・砂糖・コップ。送料や箱代もここに入ることが多い。
売上から、原価や手数料や宣伝費を引いて、手元に残るお金。マイナスなら「赤字」。
看板代やチラシ代。ネットでは「動画を多くの人に見せるためのお金」。「ROAS 200%」は、広告1円で2円売れたという意味。
買ってくれた回数。売上 ÷ 1回の値段 で出る。
自分のネットショップ、大手モール、SNSの中のお店、など。場所ごとに「手数料(場所代)」がちがう。
短い動画で商品を売る計画。半年と1年で、いくら残るかを3コースで計算しました。
いつまでに、どうやって、いくら売るかを最初に書きます。そして大事なのが「ものさし」。同じジャンルで1位のお店が月にどれくらい売れているかを調べて、それを基準にしました。ゴールが夢物語ではなく、「実際にある数字」から逆算されていると分かるようにするためです。

もう始まっている直近2か月の結果をとなりに置いて、いいところ(売れる動画の言い方が見つかった、動画を作りたい人が100人以上集まった)と、足りないところ(動画の本数が足りない)を分けて書きます。そして「お金をかけるべきことは2つ」に絞りました。①広告のお金を用意しておく、②動画の本数を増やす。

自分で回せるものを2つだけ決めます。ここでは「広告のお金」と「動画を作ってもらう人の数」。ほかは全部そのまま。こうすると3コースの違いが「どれだけお金をかけるか」だけになって、比べやすくなります。
| 回すダイヤル | 梅(小) | 竹(中) | 松(大) |
|---|---|---|---|
| 広告のお金(月) | 100万円台 | 200万円台 | 400万円台 |
| 動画を作る人への固定のお金 | なし | なし | なし |
| 広告1円でいくら売る目標 | 2〜4円 | ||
売る場所ごとに、売上・広告費・そのほかの費用・もうけを、半年分と1年分で表にします。

| 1年でどうなる?(目安) | 梅(小) | 竹(中) | 松(大) |
|---|---|---|---|
| 売れた金額 | 約1億円 | 約2億円 | 約4億円 |
| 残ったお金 | 少し赤字 | 黒字(7か月目〜) | 黒字(半年以内) |
売上の裏側の数(何回買われたか、1回いくらか、動画は何本か)と、お金の使い道(材料、送料、お試し品、動画を作る人へのお礼、場所代)を並べます。「なんで残らないの?」の答えがここにあります。

SNSで知った商品を、大手モールや自分のショップで買う人がたくさんいます。この「おまけの売上」を別の行に分けて書くと、モールや自社ショップは送料や場所代が安いので、売上100円のうち4割が残る。SNSの赤字を、ほかの場所の黒字で取り返す作戦だと分かります。
1年を4つの時期に分けて、「最初は赤字でいい。3月末に続けるか決める」と先に約束するタイプの計画です。
前半の目的は売上ではなく、「どの動画が売れるか」「お客さん1人につき広告いくらまでOKか」「動画は何本いるか」をハッキリさせること。そして期末に「続ける?やめる?」を数字で決められる状態にする、と一番上に書いています。

大手モールでカテゴリ上位、レビューは数千件、値段は千円台。だから「つい買っちゃう値段」で「使っているところを動画で見せやすい」のが強み。弱みは、レビューで「高い」と書く人が一定数いること。クーポン(割引)を出せば売れるけど、割引した分だけ残るお金が減る。この「割引の問題」を一番大事なテーマにしました。

3コースで変えるのは広告のお金だけ。動画を作る費用や運営費は0円にして、動画を作る人へのお礼も、お手伝い会社へのお礼も「売上の○%」と、売れたときだけ払う形にしました。だから3コースの「100円のうち残る額」はほぼ同じで、違うのは「どれだけ大きくやるか」と「期末までにどれだけ試せるか」だけです。
| 時期ごとの決めごと | 練習 | なれる | のばす | 安定 |
|---|---|---|---|---|
| 大きいセットを買う人の割合 | 15% | 30% | 50% | 70% |
| 割引(クーポン) | 25% | 20% | 15% | 10% |
| 100円のうち残る(広告前) | 約10円 | 約17円 | 約22円 | 約26円 |
| 広告1円でいくら売る目標 | 2円 | 3円 | 4.5円 | 6円 |


飲み物でも日用品でも工芸品でも、順番は同じです。
ものづくりや小さなブランドの場合、3コースはこう置き換わります。
在庫を持たない。注文をもらってから作る。宣伝のお金はゼロ。赤字にならないけど、伸びるのもゆっくり。まず「何が売れるか」を知るためのコース。
売れ筋だけ少し作っておいて、月1回の催事や展示で手売りする。出店料が毎回かかるので、「何点売れたら出店料を取り返せるか」の線が決まる。
広告と卸先を足して、見てもらう人を増やす。数ヶ月は赤字を覚悟して、名前が知られてきたら取り返す。「続ける?やめる?」の線が一番大事なコース。
むずかしい計算は全部こちらでやります。教えてほしいのは3つだけ。
数字が分からない項目は「たぶんこれくらい」で大丈夫。あとから直せます。
公開版。会社名・商品名は伏せ、金額は大きく丸め、シートの画像はぼかしています。
Third Door Inc. // BUILT 2026.09.30 // PUBLIC 2026.10.02